

「丸太のね、この溝に鉤(かぎ)を引っかけて、象がひいて運ぶんです。」
木挽き(こびき)と呼ばれる丸太の目利きに教えていただいた言葉。その言葉で、想像は、この木が生きた数世紀をさかのぼります。長い船旅、ミャンマーの象つかい、森に降るスコール、木々のざわめき、生命の循環。
埠頭に並ぶたくさんの丸太。樹皮を削り、年輪を確かめ、幹の歪みと色を比べて、家具に最もふさわしい一本を選ぶ。特別なLテーブルのはじまりです。
一本の大木を預かる私たちの使命は、誠心誠意の智慧と技でそのいのちを生かし、次世代へときずなをつなぐ責任を全うすること──最高の丸太とめぐり会い、その見事な木目が姿を現したときの安堵の中で思うのは、自然への畏敬の念と、家具屋としての強い意志です。
森で生きた年月と同じだけ永く、人に寄り添うテーブルになるように。
一本の丸太から全てのパーツがつくられる、特別なLテーブル。大木を育くんだ豊かな自然へ、最大限の敬意を表し、真摯に作り上げる究極の一台です。
※チークを天板に使用しているタイプは、脚にナラを使用いているので厳密には一本の丸太から全てのパーツはつくられませんが、天板を一本の木から製作していますので、ラ・ビーダでは同じように表現しています。
天板と脚の取り付けには「送り蟻(おくりあり)」という、釘やビスを使用しない伝統工法を用いています。天板の中間から脚部を落とし込み、スライドさせて接合します。天板の木端からではなく、中間から蟻桟(ありさん)を打ち込むため、目に留まるテーブルの端に打ち込み跡が残りません。見た目にも美しく、強度も抜群のこの技法は、見えないところにも高い技術を使って粋を競う職人技であり、金具を使わずにメンテナンスを可能にする材への敬意でもあります。

ミャンマーの山林で伐採され、象によって山から運ばれたチーク材は、船にのり日本へ。
今回日本に入荷した数本のチークの丸太から、まっすぐで良質な丸太を求めて、「木挽き」と呼ばれる丸太の目利きと共に、原木のキズや割れ、木の曲がり具合を品定めしました。
1/10![]()
大変珍しい、まっすぐで素直に育った良質のチーク材です。
2/10![]()
丸太を板状に製材するため、大型のバンドソーと呼ばれる機械にセットし、その木の個性を判断します。挽く場所により、木の表情が全く異なって現れるため、慎重に見極めていきます。
3/10![]()
テーブルの天板の仕上がり厚みと、木の伸縮を計算し、厚みを決めて製材開始。次々と丸太が板状に挽かれていき、木目が現れます。この瞬間、木挽きや製材屋など、丸太に携わった人々の歓声がわき上がりました。
4/10![]()
製材した丸太の板の間に、桟木(さんぎ)を挟んで積み重ね、風通しを良くし乾燥させます。
5/10![]()
製材した板を木目を中心に見定め、テーブルの天板にするために木合わせをします。
6/10![]()
天板を待ち、家具職人が脚の製作をします。
7/10![]()
テーブルにした後の木の動きを考慮し、伝統的な脚との接続方法「送り蟻(おくりあり)」の加工。この丸太の天板を支える、大事な土台となる脚部分は、隅々まで丁寧に作られます。
8/10![]()
天板と脚の接合のため、最終的な位置出しをします。
9/10![]()
サンドペーパーで整えた後、オイルにて仕上げます。
約300年、遠い異国の森で生きた古木は形を変え、さらにその歴史が続いていきます。
※モニターの設定等により、実際と色味が違って見える場合があります。ぜひ、店舗にて実物をご確かめください。
10/10![]()
北海道の大雪山系から切り出されたナラ材です。
幾本の丸太から、木口を見ながら良質な原木を見極めます。
1/13![]()
製材所までブルドーザーで運搬します。
2/13![]()
丸太が製材され、どのように育った木目か、表・裏を確認します。
3/13![]()
製材した丸太の板の間に、桟木(さんぎ)を挟んで積み重ね、乾燥させます。
4/13![]()
約300年の歴史=木目が、最良の天板になるように。どのように組み合わせるかを吟味します。
5/13![]()
北海道産の楢材である証、産地証明書です。
6/13![]()
脚の中でも、人の足先にあたる部分。隅々まで丁寧に仕上げます。
7/13![]()
貫と脚の接合部分です。このすき間に割くさびを入れます。
8/13![]()
脚部のアクセントとなる、黒檀(こくたん)の割くさびです。
9/13![]()
天板と脚の接合方法「送り蟻(おくりあり)」のため、天板側に受け部分を掘り込みます。厳密な寸法出しが求められ、細心の注意で掘り込んでいきます。
10/13![]()
脚と天板の接合調整をします。
11/13![]()
天板と脚を接合する「送り蟻(おくりあり)」の微調整が、職人の手により丁寧に施されます。
12/13![]()
一本の木から現された一台のテーブル。家の重心となり、囲んだ家族の象徴となって次代へと継がれます。
※モニターの設定等により、実際と色味が違って見える場合があります。
ぜひ、店舗にて実物をご確かめください。
13/13![]()
厳寒の森で幾世紀を越えた、樹齢300年のミズナラ。大人2人で腕をまわしても余るほどの大木は、森の中で神々しく、鋸を入れる瞬間、畏怖とも呼べるためらいすら覚えます。しかし300年森で生きた古木は、木挽きに選ばれ、木こりが敬意と共に切り、職人が丹念に技をかけることで、家具としてさらなる数百年を人と共に生きるのです。
森の生命を、森からいただく。作り手にも、使い手にも、その生命への責任があります。私たちが樹齢300年の木を切り、家具にするということ。それは、その木の生命を請け負い、さらに300年を家具として全うさせようという、家具屋としての強い意志でもあります。