家具屋が担うべきものを模索し、いま、私たちが得たこたえは「消費・消耗」から「継承・循環」への復興でした。良いものをつくり、使い継いでいく。人もまた循環する自然の一部なら、生活を取り囲むモノたちが使い捨てであっていいわけはありません。
継承し、循環することは、生命の本質そのものです。それは、生物学的にいえば、遺伝子の継承であり、生態系や代謝にみられる循環です。そして、さらに人は「知」の継承と循環をも担っています。
素材である木の特性を深く知り、機能的かつ生活になじむ美しさをつくり出す職人の技術。技術を守り、次代へと継承させるためのシステム。そうやってつくられた家具を、時代を超えて使い継いでゆく。デンマークの家具と文化に触れて、私たちが気づかされたこと 人が自然から授かった「知」は本来、自然と共生するためにあるということ。かつての人、そして、ついこの間までの私たち日本人は、それを自明のこととして生活していたこと。
循環と継承のための「知」こそ、私たちの生命と自然のために、後世へ繋ぐべきものではないでしょうか。