薪ストーブを使い続けて欲しいから。良質な薪を、お手頃価格で安定供給する手段をラ・ビーダは真剣に考えました。

薪ストーブの性能は良いのに、燃料である薪の質が低いためにコストやメンテナンスが負担に感じる。楽しいはずの薪ストーブライフが苦痛になってしまう──薪ストーブを扱う一方で、薪の質の問題は、私たちを長年悩ませてきました。「住まう人の生活や環境のために、良質な薪をお客様に安定供給するにはどうしたらいいだろう?」

薪を切り出すのに最適な時期は11月〜2月の間。それ以降に切った薪は、乾燥しにくく、虫が入っていたり、カビてしまうなどの問題が多いのですが、市場にはそのような薪が出回っているのも事実です。

「それならば、自分たちでつくればいい!」私たちは自らの手で、割りの大きさがちょうど良く、最高に乾燥している良質の薪をつくり、保管し、供給することを決めました。薪棚プロジェクトの始まりです。そのヒントは、身近な里山にありました。

循環・継承・里山再生・景観美・ストーブライフ。これらのキーワードが一つになったとき“世界一美しい薪棚”への思いが生まれました。

ラ・ビーダのお客様の分だけでも自分たちの薪をつくりだすこと。その使命感にかられていた私たちは、三春にある一つの里山を手に入れる決心をしました。その山の前には、荒れ果てた休耕田が広がっています。その休耕田を目の当たりにしたとき、5つのキーワードが思い浮かびました。

「循環」「継承」「里山再生」「景観美」「ストーブライフ」。この国に住まい、この地を活かす、まるで私たちのDNAが呼び覚ましたことばのようでした。いのちあるものは「循環」し、人の手で「継承」する。薪を切り出すことで「里山再生」を実践し、薪棚がつくる「景観美」を「ストーブライフ」から生み出す。これら5つのキーワードが一つになった瞬間、わき上がる気持ちを抑えることができませんでした。「ここに世界一美しい薪棚をつくろう」。

良質の薪をつくるのに必要なのは、薪を乾燥させる場所と、ストックしておく場所。それは、日当たりが良く、風が適度に吹く場所です。その里山の休耕田は、まさに良質の薪をつくるのに適した場所でした。そこに組み立てた薪棚は、里山の竹を切り出してつくったもの。縦割にし交互に合わせた竹の屋根は、気候の変化から薪を守り、目にも楽しいデザインに仕上げました。整然と積み上げられた、美しい木肌の薪たちは、ある家族のぬくもりになるその日まで、ゆっくりと里山の風に吹かれて乾燥されます。

昨年12月から、ひとつひとつ手づくりで始めた薪棚プロジェクトは、有志にも恵まれ、約半年かけて完成しました。この薪棚から、良質の薪をお客様のもとに。ラ・ビーダの想いがまた一つ形になりました。

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